第114章

レストランの外。

正午の日差しが、少し目に刺さる。

未来は牧野に別れを告げると、タクシーを拾ってホテルへ直帰した。

先ほどレストランで羽龍(うりゅう)と鉢合わせた一件も、個室で繰り広げられたであろう杏那(あんな)の一人芝居も、彼女にとっては取るに足らないことだった。

木崎のような利益至上主義の小人は、早めにその本性を見抜けただけ儲けものだ。

ホテルの部屋に戻る。

未来はカードキーでドアを開け、背手で閉めると、バッグを玄関の棚に無造作に放り投げた。

「ふぅ……」

彼女は大きく息を吐き、見栄えはいいが足の痛くなるハイヒールを蹴り飛ばすと、素足で柔らかい絨毯の上を踏みしめた。

午...

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