第118章

日が傾きかけた頃、未来は車を走らせて笠原の本邸へと戻った。

車は広大な敷地に入り、噴水の脇で静かに停まる。

リビングに足を踏み入れると、ソファに二つの人影があった。

茶を啜る祖父の笠原と、その傍らに座る玲奈だ。

未来の姿を認めるなり、玲奈の瞳が怪しく光った。彼女はすぐに茶器を置き、馴れ馴れしい態度で立ち上がる。

「未来、やっと帰ってきたのね」

その甘ったるい声色は、普段白眼を剥いて皮肉を飛ばしてくる玲奈とは、まるで別人のようだった。

未来は眉をひそめた。玲奈は普段、自分のことが気に入らず、笠原や蒼司の前ですら、未来を無視するのが常だったのだ。今日のこの熱烈な歓迎ぶりは一体どうし...

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