第191章 この男が誰なのか調べろ

「すみません! 本当に申し訳ありません! お二人とも、お怪我はありませんか?」

店員は顔面蒼白になり、慌ててトレーを脇へ置くと、紙ナプキンを引き抜いて未来のほうへ手を伸ばした。口からは謝罪が途切れない。

「床が滑って……一瞬ふらついてしまって。ほんっとうに申し訳ございません!」

未来は眉をわずかに寄せただけで、店員を責める気配はなかった。

自分の腕に視線を落とす。羽龍に掴まれたところが少し赤くなっている程度で、他は何ともない。

「平気です」

声は冷たく澄んでいた。羽龍のほうは見もしない。

そのまま身を翻し、極めて自然に絵子の腕に自分の腕を絡める。

「絵子、個室に行こう」

絵...

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