第25章

湯気の中、未来はカッと目を見開き、反射的に言い返していた。

「自分でシャワーを持って脚を流せばいいじゃない。そうすれば傷口には当たらないわ!」

蒼司は車椅子の背もたれにゆったりと身を預け、彼女の耳まで真っ赤に染まった様子を楽しげに眺めていた。その口調には、とってつけたような無辜(むこ)の響きが混じる。

「でも、手に力が入らなくてね。シャワーヘッドさえ重く感じるんだ。どうすればいい?」

この男、どこまで貪欲なの!

未来は悔しさに歯噛みし、彼に掴まれた手首を強引に振りほどくと、逃げるように捨て台詞を吐いた。

「左手はなんともないじゃない!」

言い放つや否や、彼女は振り返りもせずに浴...

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