第57章

清掃員は未来の氷のような視線に射抜かれ、一瞬体を強張らせた。だが、すぐに無実を装う哀れっぽい表情へと早変わりする。

「未来さん、何のことだかさっぱり……」

彼女は揉み手をしながら、人の良さそうな顔を作った。

「私はいつものように掃除に入っただけで、他には何もしてませんよ」

その白々しい態度に、和紗は我慢ならず一歩踏み出して問い詰めた。

「嘘をつかないで。出る時、オフィスのドアには鍵をかけたはずよ。どうやって入ったの?」

清掃員は一瞬言葉に詰まり、目を泳がせた。

「あらやだ、そんなこと言われても……軽く押したら開いたんですよ。和紗さん、ドアが壊れてるんじゃないですか?」

「そう...

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