第71章

階下では、杏那がシャンパングラスを片手に、満面の笑みで談笑していた。

階段を早足で下りてくる未来の姿を視界の端に捉えても、彼女の表情に驚きはなかった。それどころか、紅を引いた唇を歪め、企みが成就したと言わんばかりの笑みを浮かべる。

あのSNSの投稿は、最初から未来に見せつけるためのものだったのだ。

今、羽龍の隣に立つ女は、この杏那なのだと知らしめるために。

未来が一直線にこちらへ向かってくるのを見ると、杏那はさらに親密さをアピールするように羽龍の腕に絡みついた。その体ごとしなだれかかり、顎をわずかに上げる姿は、この上なく高慢な孔雀のようだ。

「あら、お姉ちゃん。奇遇ね」

彼女はわ...

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