第73章

チャリティーオークションが華々しく幕を開けた。

煌びやかなスポットライトがステージ中央に降り注ぎ、オークショニアの情熱的な声がマイクを通して宴会場の隅々まで響き渡る。

杏那は三列目に座っていたが、その視線は一列目に座る未来の背中にへばりついたままだった。

未来は隣の絵子と低い声で談笑している。その姿は余裕に満ちており、先ほどの衝突など微塵も気にしていないかのようだ。

杏那は忌々しげに鼻を鳴らした。

気取りやがって。

未来が自分で立ち上げた零細企業など、社員の給料を払うのが関の山だろうに。こんな場所に来て何が買えるというのか。

どうせ顔を売りに来ただけの、見栄っ張りの貧乏人が。

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