第102章

「連中が狡猾すぎます。ここを出てから、そう時間も経たないうちに撒かれました……」

ボディーガード隊長はうつむいたまま報告した。たった一日のうちに起きた出来事が多すぎる。百戦錬磨の傭兵である自分でさえ、頭が追いつかない。

「捜索を続けろ」

藤原創は煙草に火をつけ、低い声で言った。

「了解です」

隊長は素早く書斎を辞した。

――

同じ頃。

郊外の一軒家。

丹生谷智久はベッドの縁に静かに腰を下ろし、横たわる江原朱美を見つめていた。

顔色は紙のように白い。全身に刻まれた無数の傷が痛々しく、見ているだけで胸が締めつけられる。

「朱美……やっと連れ出せた」

「……ん……」

眠り...

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