第106章

藤原創が書斎に戻ったばかりのところだった。

扉の外から、ボディーガード隊長が入ってくる。

「藤原さん。たった今、情報が入りました。昨夜、江原幸子が藤原玄哉と手を組んで逃げようとしたそうです」

藤原創は眉をひそめた。

「藤原玄哉は、なんて?」

「ほかの護衛の報告では、玄哉はその場で拒否しました。しかも、かなりきつく侮辱したようで……逃げる気はないように見えます」

隊長が慌てて答える。

――玄哉のことは、嫌というほど知っている。

本当に逃げる気がないのか?

違う。逃げられないだけだ。

まして江原幸子と組むなど、選ぶはずがない。

あの女は、追い詰められて手当たり次第に縋りつき...

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