第12章

食事を運んでくる者たちは、ほとんど口をこじ開けるようにして、無理やり飯を押し込んできた。

けれど、彼女はそのすべてを吐き戻した。

丸一週間。

江原朱美は水も食も拒み続けた。

もう身体が自分のものじゃない。

腕を持ち上げる力すら、残っていない。

くらくらと視界が揺れ、目の前が白くかすむ。

そのたびに、意識が遠のいていく。

――やっと死ねるのだろうか。

その瞬間を、自分がどれほど待ち続けていたのかも、もうわからない。

楽になれる。

やっと――。

給仕係も、さすがに手に負えなくなったのだろう。

ついに藤原創へ報告が上がった。

「また死ぬ死ぬ詐欺か?」

ワイングラスを揺...

ログインして続きを読む