第120章

五年後――藤原創が戻ってきたとき、丹生谷ねねはちょうど五歳になったばかりだった。

幼稚園の門の前。古い槐の木の下に、彼は立っていた。

洗いすぎて色の抜けた灰色のパーカー。短く刈り込んだ髪。こめかみには、ちらほらと白いものが混じっている。

五年。アフリカの陽射しは彼の肌を以前よりずっと黒くしたのに、目だけは――まだ、光っていた。

鉄柵越しに、園庭の滑り台で遊ぶ小さな女の子を見つめる。

女の子はツインテールを羊の角みたいに結び、花柄のワンピースを着ていた。笑うと目が三日月みたいに細く弧を描く。

細長くて、少しつり上がったその目元は――彼と、まったく同じだった。

鉄柵を握る指に、じわ...

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