第13章

「飛び降りるつもりか?」

背後から、聞き慣れた男の声がした。あの男が来たのだ。

江原朱美は振り向きもせず、淡々と言った。

「私はあなたに、ちゃんと生きるって約束した。だから、あなたの言う通りにするわ。だからあなたも約束を守って。お婆さんを苦しめないで」

藤原創は答えなかった。ただ、自発的臓器提供同意書を一枚、彼女の前へ放り投げる。

「そこに署名しろ」

江原朱美はペンを取り、ためらいもなく、自分の名を震える手で書きつけた。

「そんなに死にたいのか?」

江原朱美は薄く笑った。

「それが、あなたの望んでた結末じゃないの?」

彼女にとって、今しがた署名した自発的臓器提供同意書など...

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