第14章

「藤原さん、大変です! 急変が――!」

ウィリアム教授は血まみれの手袋のまま顔色を青黒く沈め、藤原創のもとへ駆け寄った。焦りで声が裏返りそうになる。

「朱美さんのバイタルが、急激に落ちています!」

「……おい。事故は起きないって言ったよな?」

藤原創が教授の襟首を掴み上げる。低く唸るような声は、次の瞬間には怒号に変わった。

「ふざけんな! 意外はないって――!」

「理論上は、です!」ウィリアム教授は慌てて弁解する。「ですが医療は現場です! 朱美さんの拒絶反応が想定以上に強い。予測を超えています!」

横から、江原幸子が創の手をほどいた。

「創……朱美お姉さんが心臓の入れ替えに耐...

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