第17章

江原幸子の笑みを見た瞬間、江原朱美はようやく理解した。

さっきまであの子が口にしていた言葉――全部、芝居だったのだと。

全部が演技。

目的はただ一つ。もう一度、私を地獄へ突き落とすこと。

「藤原さん! 幸子さんを猫に襲わせたの、朱美さんです!」

「幸子さんが親切に遊び道具まで持ってきてくれたのに、朱美さんは恩を仇で返したんです!」

看護師が二人、いっせいに矛先を朱美へ向ける。

朱美は目の前の男を見上げた。

――この人は、またこの嘘を信じるの?

「創……私が悪かった。あなたの言うことを聞くべきだった。朱美お姉さんに同情なんてしなければ……」

「でも……だって、お姉だもん。あ...

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