第18章

その話は、ほどなく藤原創の耳に入った。

30分後、藤原創は病室へ駆けつけ、ちょうどウィリアム教授から江原朱美の容体について説明を受けているところだった。

「藤原さん。朱美さんの今の状態を考えると、できるだけ外へ出してあげたほうがいいでしょう。外の空気に触れて、世界の音を聞かせる。それが回復に大きく役立つはずです」

藤原創はベッドに横たわる江原朱美へ視線を向けた。

今の彼女は、まるで生きた人形だった。ぴくりとも動かず、焦点の定まらない目で天井を見つめている。その瞳には、生きようとする意志が欠片ほどもない。

「江原朱美」

自分の名を呼ばれたからだろう。朱美はようやく顔だけをそちらへ向...

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