第24章

江原幸子はしばらく腰を落ち着けたあと、「体調が悪い」と言い訳をして、早々に自室へ引き上げた。

胸の奥では、どす黒い憎しみが渦を巻いている。

どうして江原朱美は、まだ死なないのか。

何度も何度も――三途の川から、するりと逃げおおせて。

一方、藤原創は書斎に籠もりきりだった。ウィリアム教授の言葉が、耳の奥にこびりついて離れない。頭の中で反芻され続け、苛立ちがじわじわと膨らんでいく。

創は人を使い、江原朱美の詳細な調査報告書を取り寄せた。そして、ページを一枚ずつ、神経質なほど丁寧に追っていく。

子どもが彼女の身体から引き剥がされたあと、朱美は病院に入った。

入院中、情緒は極端に不安定...

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