第25章

「絶対に違う!」

二人はほとんど同時に叫んだ。

藤原創の顔から血の気が引く。彼は少し離れた場所にいた使用人たちを呼び寄せ、床にひざまずく二人を指さした。

「狼の檻に放り込め」

「藤原さん!」

「幸子さん!!」

二人は縋るように江原幸子を見上げた。けれど返ってきたのは、冷えきった傍観の視線だけだった。

「全部――」

片方が言いかけた瞬間。

「うるさい。黙らせろ」

藤原創が吐き捨てる。

使用人たちは二人の頭を掴み、氷みたいに冷たい床のタイルへ容赦なく叩きつけた。どん、という鈍い音。二人はそのまま、ぐったりと動かなくなる。

……世界が、すうっと静まり返った。

廊下に残った...

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