第49章

「江原さん」

中橋傑は雨を裂くようにして、江原朱美のもとへ駆け寄った。

その姿を見た瞬間、眉間がきつく寄る。

朱美の身体には無数の傷が残っている。なのに本人は、池の水に浸されたまま――。

……殺す気か。

江原朱美が、掠れた声で言った。

「来てくれて……よかった。ずっと、あなたが無事か心配してた。藤原創に捕まってないのなら、それだけで……でも、来ちゃだめ。藤原創は……狂ってる。今もあなたを捕まえることしか考えてない。お願い、早くここから――」

中橋傑は鎖へ手を伸ばし、外そうとした。

だが、赤ん坊の腕ほどもある太さの鎖は、力任せではびくともしない。

何度か試して、彼は唇を噛む。...

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