第50章

藤原創の怒りに満ちた顔を見ていると、江原朱美は途切れ途切れに喘ぎ声を漏らしはじめた。

痛みに耐えている、というより――愉しんでいる。そうとしか見えない。

「この……クソ女!」

鞭を握る藤原創の手が、かたかたと震える。振り下ろす力は一撃ごとに強くなるのに、朱美の声はむしろ大きくなっていく。顔にも、苦痛の色は欠片もない。

殴られて、幸福になるのか。

これが、こいつの「イく」やり方なのか。

何十発も打ちつけた末、朱美の身体はまた赤黒く濡れた。だが藤原創の表情に同情はなく、浮かぶのは憎悪だけだった。

――こいつ、笑ってやがる。

まるで俺を嘲笑うみたいに。

藤原創は鞭を放り投げ、箱を...

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