第56章

三日後。

手首と足首の枷が外され、江原朱美は数人の使用人に挟まれるようにして手術室へ連れて行かれた。

手術室では、ウィリアム教授を中心とするチームが術式について話し込んでいる。朱美がストレッチャーで押し込まれるのと同じタイミングで、病衣姿の江原幸子も、ゆっくりと中へ入ってきた。

そして朱美は気づく。

手術室の外、廊下側のガラス越しに、藤原創正が立っていた。こちらを値踏みするように見下ろしているのに、顔には一切の表情がない。瞳からも感情を読み取れなかった。

――ついに、手術……?

最後のチャンスだ。けれど、こんな厳重な包囲の中で、どうやってこの呪われた手術室から逃げ出せばいい?

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