第59章

数日間、朱美は行き届いた看護を受けていた。傍に張りつく女は口をきかないが、仕事ぶりだけは完璧で、文句のつけようがない。

――たぶん、今回は藤原創も本気で怯えたのだろう。

なにしろ自分には、江原幸子が欲しがっている「心臓」がある。

それが、最後の切り札。

体力が戻るにつれて、朱美も少しずつ歩けるようになった。とはいえ、病室の外へは出られない。

この数日の観察で、病院と屋敷の配置が大きく変わっていることにも気づいた。廊下も庭も正門前も、スーツ姿の屈強な男が明らかに増えている。さらに、カスロも十数頭。

――藤原創が警備を強化したのは、間違いない。

江原朱美にとって、それは悪いことばか...

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