第7章

「創、お姉さんがまだ中にいるの! 早く助けて!」

江原幸子は炎の海を指さし、瞳いっぱいに涙を溜めていた。

藤原創は、火の向こうで意識を失っている江原朱美を一瞥するなり、背後の警備員に氷みたいな声で怒鳴りつけた。

「何してる。さっさと引きずり出せ」

そう命じると、藤原創は江原幸子を抱き上げ、振り返りもせず廊下の奥へ歩き去っていく。

江原朱美が次に目を覚ましたとき、彼女はすでに手術室のベッドの上だった。頭上には紫外線殺菌灯。刺すような光が、目を焼く。

反射的に手を上げて遮ろうとして――全身を貫く激痛に、視界が白く弾けた。

「あ――っ!」

額から汗が滝みたいに流れ落ちる。朱美はシー...

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