第71章

「藤原さん! これ以上は本当に死にます! 幸子さんには朱美さんの心臓が必要なんです!」

様子が危ういと悟ったウィリアム教授は、もう迷っていられなかった。病室のドアを押し開けるなり、息を切らして懇願する。

そこへ、江原幸子も外から入ってきた。腕を組んだまま、舞台を眺める観客みたいに、目の前の惨状を愉しんでいる。

――素晴らしい。

あまりにも、気分がいい。

江原朱美は殴られに殴られ、もう虫の息だった。轢かれて潰れた野良犬みたいに、みじめに地べたへ沈んでいく。今にも死にそうな顔。

叩け。もっと叩け。

ここで死ね。ここで終われ。

幸子は、朱美がこの場で死ぬところを見たかった。

ウィ...

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