第74章

両腕は、揃いも揃って斬り落とされていた。しかも――まだ血が止まっていない。

暗黄の床へぽた、ぽたと滴った血が、やがて一輪の妖艶な薔薇みたいに広がっていく。

なのに、少女の顔には痛みの気配が欠片もない。

切り落とされたばかりの腕だ。壇上に上がる前、麻酔でも打たれたのか?

なんて残酷――。

江原朱美は首をぶんぶん振り、獣みたいに喉を震わせて叫んだ。

「藤原創! あんた、ほんとに変態!」

「変態、ねえ」

藤原創は陰気に口元を歪める。

「この最後の一品を待ってる連中が、どれだけいると思う? ヴィーナス像を元に作らせた、最高に完璧なコレクションだ。持ち帰ったら、まずはたっぷり弄んで―...

ログインして続きを読む