第75章

午後。

病院の個室。

江原朱美は、またベッドに横たえられていた。

「こいつ、いったい何なんだ。さっきまで急に発狂したみてえだったのに、次の瞬間には意識が飛んだ」

藤原創は病室の中で煙草をくゆらせ、ベッドの女を冷ややかに見下ろす。

戻ってくる途中、仮病かどうか確かめるために、朱美の頬を何度も叩いた。唇が腫れるほど殴っても、朱美は瞼を閉じたまま、外界を拒むように反応しない。

ウィリアム教授が眉をひそめる。

「先ほど朱美さんの身体を診ましたが、異常は見当たりませんでした。何か強い刺激を受けて、失神したのかもしれません。あるいは、ここ数日食事があまりに淡白で、体が持たなかった可能性も…...

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