第98章

藤原玄哉は全身に、ひとつ爆ぜれば肉片すら残らない爆弾を巻きつけていた。指の関節が白くなるほどリモコンを握り込み、身体は抑えきれずがたがたと震える。口元は引きつり、狂気じみた笑みが歪んだまま張りついていた。

「俺は帰ってきたぞ! この格好、見たか? 腰抜けて立ってらんねえだろ。最高の贈り物だ。刺激、足りてるか?」

胸元から腹にかけて交差する導線が、夜風に揺れてかさり、かさりと擦れる。まるで無数の毒蛇が舌をちらつかせているみたいだった。

江原幸子は、その「一緒に死ぬ気」の顔を見た瞬間、魂が抜け落ちたように青ざめた。肩が小刻みに跳ね、反射的に後ずさる。

命乞いの言葉を絞り出そうとした、その...

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