第99章

藤原玄哉の混乱した、冷えきった声が、藤原創の乱れた思考を断ち切った。

「当時の病院の事故も、屋敷で起きた誤解の数々も――全部、江原幸子が仕組んだ。お前の手を借りて、朱美を毎日毎日いたぶり続けたんだ。あいつの心に残ってた最後の希望を、少しずつ搾り取るためにな」

藤原創はゆっくりと首を回す。凍りついた刃のような視線が、地に跪く江原幸子へ突き刺さった。

江原幸子は全身を激しく震わせ、どさりと膝をつく。無理やり涙を絞り出し、泣き喚くように縋りついた。

「創、信じないで……! あの人の一方的な狂言よ! 私が朱美お姉さんを陥れるなんて、ありえない! あの頃は父が重病で、私、気が動転してただけ……...

ログインして続きを読む