第4章
エイヴリー視点
客船がゆっくりと岸壁に近づく頃には、空はすっかり明るくなっていた。私は大きく息を吸い込む。空気には、アメリカ南部の海岸特有の湿り気と、潮の香りが満ちている。
下船の手続きはスムーズに進んだ。後ろを歩くセバスチャンの姿を見て、思わず忍び笑いが漏れる。彼が何を考えているのか、私にはお見通しだ。船の上で散々じらしてあげたから、今もまだズボンの股間が目立っていないか気にして、落ち着かないんでしょうね。
「その元気なところ、嫌いじゃないよ。お嬢さん」
耳元で響く彼の声は、低く、そして恐ろしいほどに艶っぽい磁力を帯びていた。
彼のエレガントな指先が、何気ないふりをして背...
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