第7章

エイヴリー視点

「ああ、好き……っ」

 私は荒い息を吐きながらそう答えた。まともに言葉を紡ぐ能力が、急速に失われていくのがわかる。頭のどこかで、理性を司る部分がスイッチを切る音がした。身も心も人間としての殻を脱ぎ捨て、より原始的な何かへと変貌していく。そこにあるのは感情と、渇望と、必要性だけ。そんな境地において、言葉など蛇足であり、無意味なものだ。

 私の身体は、自分が何を欲し、何を必要としているのかを痛いほど理解していた。それは私の中で猛り狂うセバスチャンの分身であり、肌を焼き尽くすような密着であり、皮膚を食い荒らすような飢えた口づけであり、そして私の後ろを貫く彼そのものだった。

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