第24章 警告しに来た

龍崎燈真は答えなかった。踵を返し、そのまま歩き去る。

薄暗い廊下に伸びていく背中は、いっそう細く長く見えた。けれど、その輪郭のどこかに――言葉にならない哀しみが滲んでいる。

返事はなくとも、答えはもう出ていた。

――今日、龍崎燈真がここへ来たのは、鈴村茜に会うためだ。

小野莉子の顔が、すっと陰る。鈴村茜――その女の名だけは、ずっと忘れずにいた。

田舎娘のくせに、名家に取り入ろうだなんて。

名門は、入りたいと願っただけで入れる場所じゃない。

まして身分も後ろ盾もないくせに、虚栄心だけは強く、しかも計算高い女に、チャンスなどあるはずがない。

それなのに当時、莉子が龍崎燈真と鈴村茜...

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