第25章 盗みキスがバレる

鈴村茜は小野莉子の手を振りほどいた。

「だったら、あなたの息子に聞けばいいでしょ!」

「……ふん」

小野莉子は腕を組み、顎を上げて見下ろす。

「二度と龍崎燈真の近くに姿を見せないで。いいわね?」

鈴村茜は奥歯を噛みしめた。

――自分だって、望んでいない。

むしろ、遠くへ逃げ出したいくらいだ。

けれど……彼女には、龍崎燈真を止める術がない。

小野莉子は温井千景へと視線を滑らせ、鼻で笑った。温井千景のことは知っている。名門の御曹司として、それなりに名の通った男だ。

「次の男を見つけたなら、うちの燈真は放してちょうだい」

そう言って、くすりと笑う。

「温井様。名門同士のよし...

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