第26章 お前の同意が必要か?

周りの空気が、凍りついたみたいだった。

幸尾が探るように声をかける。

「龍崎様……どうかなさいましたか?」

男は迷いなく踵を返した。

「龍崎様……」

入口まで来たところで、龍崎燈真が足を止める。ネクタイを乱暴に引き、熱を帯びた息を吐き捨てた。

「幸尾! このコンテスト、潰せ」

「龍崎様……主催は温井千景様で……さすがに、それは……」

「温井家ごときに何を遠慮する。俺が潰すと言ったら潰すんだ!」

「……かしこまりました」

幸尾は頷く。つい一時間前、誰かが余計なことを口にした――温井千景がここでモデルコンテストをやっている、と。

それを聞いた途端、龍崎燈真は血相を変えて飛ん...

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