第51章 子どもの父親を見つけた

温井千景の眼差しは揺るがなかった。何日も続いた苦労と奔走で、頬はこけ、顔色も悪い。生気なんて欠片もない――それでも、この瞬間だけは違った。瞳の奥に、確かに光が宿っている。

「……ごめん。茜……」

「ずっと言えなかった。……怖かったんだ」

「知ったら、もう友達でさえいられなくなる気がして……」

「だから、今日まで隠してた」

鈴村茜は硬直した。指一本、動かせない。全身の血が凍りついたみたいに。

胸が大きく上下し、身体が震える。

本当に――温井千景……。

高橋秀香が言っていた言葉が、遅れて脳内で反響する。

『誰かは私も確信がないの。あの夜、私もあなたの部屋にはいなかったから。でも...

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