第57章 婚約披露宴のスキャンダル(1)

「茜! 来週末は絶対来て!! あなたがいないと、この婚約披露宴、進められないの。お願い」

受話器の向こうから聞こえてきたのは、温井千景の、どこか縋るような声だった。鈴村茜は、ふっと息を詰める。

婚約披露宴――。

まさか……こんなに早いなんて。

三日前に「君と結婚する」と宣言したばかりなのに、もう披露宴の段取りに取りかかっている。温井千景の手際の良さに、茜は言葉を失った。

唇をきゅっと結び、長いこと黙り込む。

「茜……?」

温井千景が、深く息を吐いた。

「来てくれれば、それでいい……当日は迎えを行かせるから」

「ツーツーツー……――」

通話は一方的に切れた。

鈴村茜の胸に...

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