第62章 子守りする龍崎様(2)

「だ……だめ……」

鈴村茜が、そんな時を待てるはずがなかった。血走った虚ろな瞳には、絶望だけが詰まっている。

「そんなことしてたら……佳澄は、もう死んじゃう……」

「え?」

高宮芽美には、その言葉の意味がすぐには飲み込めなかった。

龍崎燈真は、どう考えても名門の出だ。相手が幼い子どもだからといって――そこまで残酷な真似をするだろうか。

それでも鈴村茜が行くと言い張る以上、芽美にも止めようがない。

母親が自分の子を探しに行く。そこに、何の落ち度があるというのか。

芽美自身、もうすぐ母になる。母親が子を守ろうとして必死になる気持ちは、痛いほどわかる。

彼女は山田浩太に、陰から二...

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