第8章 契約解除したい?

龍崎燈真は何も言わず、冷え切った顔のまま酒をあおり続けた。

鈴村茜は身じろぎひとつできない。やがて彼がどんどん酔い、ソファに沈み込むのを見届けてから――。

ずっと透明人間みたいに息を殺していた茜は、痺れた脚を引きずり、そっと傍へ寄った。

「龍崎様……」

「ここ、冷えます。ここで寝たら風邪を――」

その手が、いきなり掴まれる。

「龍崎様……」

龍崎燈真が顔を上げた。

瞳の底には憎悪だけが渦巻いている。

「他の男に触れた手で、俺に触るな。消えろ」

茜は床に投げ出された。

ソファの端に座り込み、涙を拭う。

「……っ」

ぼんやりしていた次の瞬間、身体がぐい、と引き寄せられた...

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