第81章 共倒れでも構わない

「入れなさいよ! 龍崎燈真! 出てきなさい! 男なら出てきなさいよ!」

龍崎グループ本社ビルの正面玄関で、女が喉を潰す勢いで叫び続けていた。警備員に腕を掴まれて引き離されても、声は止まらない。たちまち視線が集まり、ひそひそと囁きが広がっていく。

「龍崎様を誘惑しに来たんじゃない? ウケる。あんなのが、龍崎様のベッドに上がれると思ってるの?」

「ほんと。私たちだって近づけないのに。身の程知らず」

「しかも玄関で大騒ぎって……自分を何様だと思ってるの。呼びつけたら龍崎様が出てくるとでも? 笑える」

しばらくしても龍崎燈真は姿を見せない。代わりに現れたのは幸尾だった。

幸尾は額の汗を拭...

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