第97章 妊娠しているのに?

「ママ、どうしていつも私のこと見てるの?」

病室のベッドの上で、鈴村佳澄はりんごを小さくかじりながら、黒く澄んだ大きな瞳で母親を不思議そうに見上げていた。

黒崎由良の祖父に会って帰ってきてから、鈴村茜はずっと佳澄から目を離せないでいる。

「ママ……?」

佳澄が小さな手を伸ばし、茜の目の前でひらひらと振る。そこでようやく、茜ははっと我に返った。

「ママ……お医者さんに、私の病気が悪くなったって言われたの?」

胸の奥がきゅっと痛んだ。茜は佳澄の青白く、痩せた頬にそっと触れる。

「違うよ……ママはね、佳澄のことが大好きだから。もっと、いっぱい見ていたくて……」

指先がゆっくりと、佳...

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