第11章

それでも彼の目には、琴音などただの金のなる木としか映っていない。

彼の心の中に、娘の居場所など最初から存在しなかったのだ。

その言葉を聞いて、琴音の顔に冷たい嘲りが浮かんだ。

「そんなにその栄華が惜しいなら、あなたが代わりに味わえば?」

武治の顔色が青から赤へと染まり、次の瞬間、高く振り上げられた手が容赦なく振り下ろされる。

だが琴音はすっと身を引いて、その平手打ちをあっさりと躱した。

鋭い風切り音が頬を掠める。表情一つ変えなかった琴音だが、それでも心臓が勝手に軋んだ。

彼女の実の父親は、母がこの世を去ったあの時、一緒に死んでしまったのだ。

いや、もしかすると十数年にわたる愛...

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