第110章

空は脚にギプスをはめ、松葉杖をつきながら、怨嗟と怒りに満ちた顔で立っていた。

目は血走り、一睡もしていないのは明らかだった。

「琴音! この毒婦め!」

空は松葉杖を振り上げ、琴音の鼻先を指して口汚く罵った。

「お前だろ、姉さんを陥れたのはお前なんだろ! 最初から企んでたんだ。俺の脚を折ったかと思えば、今度はあんなトレンドを仕掛けるなんて!」

「姉さんを破滅させる気か! 俺たち水原家を潰す気か! ぶっ殺してやる!」

琴音は耳にタコができる思いだった。

どうして誰も彼も、彼女が水原家を破滅させたがっていると言うのだろうか。

彼女はただ、彼ら自身を破滅させたいだけなのに。

琴音の...

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