第百二十一章

寧々はハッとして下唇を噛むと、空気を読んでそれ以上は口をつぐんだ。

寧々の騒ぎを片付け、琴音がオフィスに戻った途端、内線が鳴った。

「琴音、私よ」

受話器越しに聞こえる梨乃の声は、どこか弾んでいた。

「和也からまた電話があったわ。やっぱり提携の話なんだけど、今回は新しい条件を出してきたの――MK本人と直接会って話したいって」

琴音の瞳が微かに揺れた。

やはり和也は疑念を抱いている。昔から変わらず、疑い深い男だ。

「なんて返したの?」

「MKは滅多に外部の人間には会わないし、特に提携先となれば確認が必要だって答えておいたわ」

梨乃は少し間を置き、声を潜めた。

「琴音、本当に...

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