第13章

エレベーターの扉が開き、無機質な機械音が上層階のフロアに響き渡る。ピンヒールを履いた女の足がぴたりと止まり、硬い床を叩く澄んだ音が鳴った。

寧々が近づいてくる。最初は訝しげだったその表情は、隣にいる梨乃の姿を認めた途端、確信へと変わった。

彼女は勝ち誇ったような顔で琴音を見下した。

「もう猫を被るのはやめたの? まさかここまで私たちをストーカーしてくるなんてね。また和也の前に這いつくばって、犬の真似事でもするつもり?」

寧々は琴音と梨乃の目の前まで歩み寄り、値踏みするようにじろじろと見回した。

今日の琴音は特別に身なりを整えていた。メイクは控えめだが、普段よりも洗練された美しさが際...

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