第15章

男の力強い腕が細い腰を抱き寄せ、琴音は心臓が口から飛び出しそうになるのを感じた。

ここ最近、体調が完全に回復していなかったうえに、先ほどその場の空気に合わせてワインを少し口にしてしまった。

もともと酒に弱い彼女は、すでに頬が熱を帯び始めているのを自覚していた。

「水原さん、その酒好きの癖は直したほうがいい」

薄暗くて彼の表情は読み取れなかったが、どこか怒気を孕んでいるように感じられた。

「もし今回の取引相手が別の男だったとしても、二人きりで酒を飲むつもりだったのか?」

腰に添えられた司の手に、ぐっと力がこもる。

琴音は目を丸くし、少しすねたような声を出した。

「あなたは、別の...

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