第43章

狭い機内では、乗客たちに逃げ場などどこにもなかった。

今この瞬間、飛行機は彼らにとって唯一の安全地帯であると同時に、命を脅かす元凶でもあった。

機内アナウンスから機長の声が響く。

「お客様にお知らせいたします。当機は乱気流に遭遇しております。シートベルトをしっかりとお締めになり、お席をお立ちにならないようお願い申し上げます」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、再び機体が激しく揺れた。

「神様、どうか無事に着陸させて……」

「ごめんね、お母さんが悪かったわ……」

信仰のある者は神仏やキリストにひたすら祈りを捧げ、そうでない者は機長のアナウンスに必死で耳を傾けている。

琴音...

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