第45章

司は一瞬きょとんとして、やがて堪えきれずに吹き出した。

琴音も同じだった。二人は顔を見合わせる。この子が今日、まだ一輪も花を売れていないからこそ、すらすらと口上を並べたのだと察しがついた。

だが司は何も言わず、気前よく高額紙幣を三枚取り出して少女に渡した。

少女は嬉しそうに花を司に渡し、琴音に向かって茶目っ気たっぷりにウインクをした。

「綺麗なお姉さん、気前よくお金を使ってくれる男の人が一番だよ! このお兄さんのこと、絶対に逃しちゃ駄目だからね!」

少女は抱えていた花をすべて琴音に押しつけると、ぴょんぴょんと跳ねるように走り去っていった。

琴音は腕いっぱいの花を抱え、少し戸惑って...

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