第七十章

三十分も経たないうちに、司の姿が警察署の入り口に現れた。

冷ややかな表情に、厳しい目つき。どこかフォーマルな場からそのまま駆けつけたような出で立ちで、現れた瞬間にその場の全員の視線を釘付けにした。

彼の視線が素早く琴音を捉え、彼女に怪我がないことを確認すると、その瞳の険しさがわずかに和らいだ。

身元引受の手続きはスムーズに進んだ。司がそこにいるだけで、誰もが自然と背筋を伸ばしてしまうような圧倒的なオーラがあったからだ。手続きを終えると、司は琴音のそばに歩み寄り、低い声で告げた。

「行こう。車を外に停めてある」

琴音は今にも倒れそうな梨乃を支えながら、司の後に続いて警察署を後にした。...

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