第71章

彼の迷いのない約束を耳にしながら、琴音は冷たい壁に背を預けた。ICUで眠る親友の痛々しい姿を見つめ、彼女は初めてはっきりと悟った。自分一人では立ち向かえない戦いがあるのだと。そして、頼れる味方がいるという事実が、今の彼女には何よりも尊く感じられた。

物思いに沈んでいた琴音は、ふいに鳴ったスマホの通知音で我に返った。画面を開くと、職場のグループチャットからのメッセージ。そこでようやく、今がまだ勤務時間中だったことに気づく。

琴音はすぐさま休暇の手続きを済ませた。ここ数日は、梨乃のそばに付き添うつもりだった。

手術を終えた梨乃が目を覚ましたのは、午後になってからだった。

彼女の視点が定ま...

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