第91章

彼の心の奥底を、密かな失望がよぎった。

時間はあっという間に過ぎ、琴音の離婚裁判の第一回口頭弁論の日がやってきた。

彼女は原告席に座っていたが、和也は一向に姿を見せなかった。

裁判長が何度促しても、和也が現れる気配はない。

琴音も和也に何度も電話をかけた。着信拒否こそされていないものの、彼はこうして琴音を焦らし、何度も電話をかけさせることで優越感に浸っているのだろう。

琴音は冷たく鼻を鳴らし、和也の欠席を気にするのをやめ、そのまま開廷するよう代理人を通じて裁判長に求めた。

裁判長が開廷を宣言し、手続きが淡々と進められていく。

琴音の代理人弁護士は理路整然と訴訟の趣旨を陳述した。...

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