第95章

司は伏し目がちに視線を外し、琴音のために根気よくロブスターの殻を剥いている。

「あいつの言葉なんて、俺には痛くも痒くもない」

「それより君だ。あんなことを聞かされて、気を悪くしていないか?」

琴音は首を横に振った。

「昔なら気にして傷ついたかもしれないけど、今は……あんなのを聞いても、ただ吐き気がするだけ」

「ただ、彼があそこまで……見苦しくなるとは思わなかったけど」

司は黙ったまま、剥き身のロブスターを次々と琴音の皿に取り分けていく。

「彼らの話はもうやめましょう」

琴音は脳裏にこびりつく二人の残像を振り払い、司を見つめて話題を変えた。

「そういえば、あなたがこのレストラ...

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