第97章

司はスケジュールに目を落とした。午後に急ぎの予定は入っていない。

当初はSVスタジオへ赴き、琴音の進捗を確認するつもりだった。だが考え直す。押田家は水原家とビジネスでの接点がある。彼から水原グループの動向を探れるかもしれない。

それに、琴音を気晴らしに連れ出し、煩わしい問題から一時的に遠ざけるのも悪くない。

「分かった。友人を一人連れて行く」

司は誘いを承諾した。

「ただ、彼女の都合を聞いてからだ」

「友人? いいよいいよ、大歓迎だ! にしても、お前がわざわざ都合を気にする相手って?」

「もしかして……琴音ちゃんか?」

電話越しの押田光彦は、ニヤニヤとからかうような声を出した...

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